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「八王子の歴史と文化を尋ねる」その12
八王子の城趾を尋ねて
CEC社内報「CHUO」 '98 VOL.16 より
北東に肥沃な関東平野を控え,北,南,西に丘陵地,
そこに入り組んで流れる多摩川といくつもの支流,
そして遥か南に鎌倉,小田原とそれぞれの時代の覇者の本拠地を望むと言う
地理的条件もあって,八王子を中心とした武蔵,北相模の一帯では,
横山,大江,大石,小田原北条氏が
1100年代中半から1500年代後半にかけての約400年間,
この地に覇を競いあい,
いくつもの統治の交代を重ねていきます。
彼等はそれぞれに統治,外敵防御のために,
この自然の地形を利用して多くの山城,砦,陣屋,館を築きました。
この様なこともあって多摩地区は,城趾の多いところとされていますが,
八王子界隈は特に多く,市内だけでもその数およそ三十数箇所にもおよびます。
今回は市内に主な事跡をたずねてみました。
- 注意:
- 写真は CHUO に掲載されたものとは異なります。
≪
横山館跡
≫ 元横山町2丁目
-
武蔵7党の一つ横山党は,10世紀中頃からこの地に勢力を振るい,
保元,平治乱を経て和田合戦(建暦3年(1213年))で北条方に敗れるまで,
その領地は南は町田界隈にまで及んだといわれています。
甲州街道を,高尾にむかって横山町3丁目を右に入ったところにある
八幡神社
の境内には,横山神社が祭祀(さいし)されており,
横山党の中興の祖といわれる「横山義孝の館ありしところ」として,
ここに横山党本拠地があったとの案内版がありますがハッキリした
遺構も発見されておらず,この当時,このような平坦地に,
陣屋,館がつくられたとは考えにくい,という説もあります。
八幡神社/八雲神社
の境内に横山神社がある。
-
鎌倉幕府 源頼朝から八王子,町田にかけての一帯を安堵(あんど)されていた
横山荘は,1213年ころ大江広元の所領となり,
その末の長井氏が1390年頃築城したのが片倉町にある
片倉城,
湯殿川と兵衛川にはさまれた小比企丘陵の先端にあり,
いかにも城を造りたくなるような環境です。
築城の形式からは,戦国末期のものと推定されていますが,
現在はご存じのように東に国道16号線,JR横浜線,北に京王線が走り,
交通機関からみれば正に要衝の地となってしまいました。
城趾は現在は公園となっており,北側の中腹にある住吉神社をはじめ,
麓の湧水,小体の池,そこかしこに配置された彫刻像などがあり,
近在の人々の憩いの場所となっています。
≪浄福寺城
(千手城,案下城)≫ 下恩方
-
この時期に前後して,八王子の北部に勢力を張りつつあったのが
木曽義仲を祖とする大石一族です。
大石氏は1356年,武蔵守護代となり,大石定義の時(1384年)八王子進出の
最初の拠点として,今の下恩方の西北にある山に城を築きました。
いま,街道に面したところに石垣が連なり,わずかながら当時の面影を偲ぶことが
できます。
この城は,大石氏が高月城に
移るまでの約70年のあいだ,
八王子進出の拠点となりました。
観音堂の裏手あたりの山が本丸跡といわれています。
≪
高月城,
滝山城
≫ 高月町/丹木町
-
八王子城とならんで,レベルの高い築城技術が駆使されているのが
滝山城
です。
城下に,横山,八日市,八幡の三宿をかまえる,
統治,経済と戦略的機能をかねそなえた本格的戦国時代の城で, 1458年
高月城
築城の60年後,1521年(文永1年)大石定義によって築城されました。
高月城
同様,北に秋川,多摩川を望む加住丘陵の断崖を巧みに利用した山城で,
本丸,二の丸,三の丸,土塁,空掘などの原形が発見されており,
当時の丘山城としては,全国的にもスケールの大きいものとされています。
現在は国の史跡で,春は桜の名所ともなっています。
≪八王子城
≫ 元八王子城山
-
八王子を代表するのが
八王子城,
16世紀半ばに大石氏の養子になった北条氏康の次男氏照によって築城,
1590年(天正18年)豊臣秀吉の軍勢によって攻め落とされたことは
あまりにも有名です。
1986年(昭和61年)ころより発掘が盛んにおこなわれるようになり,
石塁,堀,居館の遺構が発見され,それにともない史跡として
整備保存の作業がすすめられました。
明治大正の八王子案内には
『
満山古松老杉鬱蒼として枝を交え,深緑物凄く,讀者ひとたびこの地を踏めば
天正の者の孤軍奮闘の状眼前に迫るが如く,懐旧の情禁じ難し
此の近傍の諸山,夏は青葉,郭公(かっこう)を賞し,秋は紅葉観るに宜(よろ)し
』
とあり,当時から市民の格好の散策の地であったことがうかがえます。
城内の曵橋
≪小田野城
≫ 西寺方町 上小田野町
-
陣馬街道を西にゆき,西寺方町を過ぎるあたり,左側に小高い丘陵がつらなります。
ここは
八王子城
の出城であり,かつ北条氏照の家臣,小田野源太佐衛門の
居城ともされている城で現在は高尾方面にぬける道がトンネルとなって
城の下をはしっています。
-
●戸吹城(戸吹町根古屋)
●中山塁
●左入城(滝山の支城)
●尾崎山陣城(武田勝頼が北条攻めの時つくった砦,現在の高速道路のインターチェンジのあたりにあった)
●山入館
●由井館
●梶原館
●大久保陣屋
(八王子の町つくりで知られる大久保長安の館)
●景信山砦
●廿里砦(武田,北条合戦の時の砦,現在は高尾の
実験林
になっている)
●近藤砦
●大江館
●長沼館
●城山城
●椚旧田城
●近藤城(小田原北条の武将近藤出羽守の居城)
●浄泉寺城
(鎌倉権五郎景正,片目に刺さった矢を抜かずに敵と戦った戦国武将の
居城であったそうです)
●高山城
●宇津貫城
●小田屋敷
●由木城
●堀内館
●大石館
●松木館
●初沢城
●川口館
(約300年川口郷の支配者,川口兵庫介館跡の碑がある)
13. 八王子の川
11. 歴史を刻む峠道
八王子散歩みち−
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八王子市の歴史|
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